Faniconの優秀コミュニティを表彰する「Fanicon Awards 2023」で「ユニークコンテンツ賞 最優秀賞」を受賞した、俳優の高橋健介さん。2018年6月開設の「高橋健介の部屋(仮)」では、多くのファンと毎日、近しいコミュニケーションを図っています。
舞台や映像作品、バラエティ番組などで活躍する一方、ファンコミュニティ発で過去には謎解きイベントも開催。日々、人を楽しませるアイデアが「湯水のように湧いています」と述べる高橋さんに、ファンとのコミュニケーション、そのやりがいなどを伺いました。
■コミュニティ「三箇条」に込めたファンへの気づかい
――ファンコミュニティ名に「(仮)」が付いているのは、ユニークだと思いました。
高橋健介(以下、高橋) 先に名前を決めようとなって、特に面白いものが思いつかなかったので「コレでいいじゃん」と決めた当時のままなんです(笑)。
――なるほど(笑)。自身のファンコミュニティには憧れがあったのでしょうか?
高橋 なんとなく「ファンクラブをはじめたい」とは思っていたんです。そのタイミングでたまたま、Faniconから声をかけていただいて。当初はサービスもはじまったばかりで、立ち上げに近い時期に声をかけていただいたのは運命的でしたし、メリットもたくさんあると思って開設しました。舞台のお仕事では、ファンコミュニティ先行のチケットも販売できて、ファンのみなさんがチケットをゲットできるチャンスが広がったのも、その一つです。
――ファンコミュニティで掲げる「三箇条」の「喧嘩をしない」「友達の友達は友達、つまりみんな友達」「楽しい部屋にする」も、開設当時から変わらず?
高橋 変わりませんね。1対1の「1on1トーク」では何をつぶやいていただいてもかまわないけど、多くの人が見るグループチャットでは、無意識の発言で誰かが傷つくという可能性もあります。ファンの皆さんに不快な思いをしてほしくないんです。。気兼ねなくみんなで盛り上がって、楽しんでほしいから「三箇条」を作りました。
――グループチャットでは毎日、ファンとの交流を図っています。SNSも活用していて、俳優業と並行しての慌ただしさもありますか?
高橋 FaniconやSNSと向き合う時間と、俳優業の時間を切り分けてはいないんです。僕にとってはプライベートの延長線上で、仲間や後輩と一緒にご飯を食べに行くのと、同じ感覚というか。グループチャットもですし、日常的なインプットやアウトプットがいつか、仕事にも役立てばいいと思っています。
――ファンとの近しいコミュニケーションを図る上で、心がけていることはありますか。
高橋 Faniconでのコミュニケーションは常に自然体で、僕自身も生活の一部になっていますし、ファンのみなさんにもそう思っていただきたいんです。朝会ったら「おはよう」と自然に声をかけるような感覚で。Faniconに新たな機能が追加されたらまず試しますし、より楽しんでいただけるコミュニケーションの方法はないかと、試行錯誤もしています。開設した当初は、ファンの方と1対1で対話できる「ビデオトーク機能」がなかったけど、いつからか追加されていて、今はよく使うほど気に入っています。仕事が落ち着いている時のほうが更新は多いですが、舞台の出演期間などの忙しい時期でも帰りのタクシーでラジオ配信もするときもありますし、Faniconを使って交流することが仕事のやる気にもつながっています。
■アイデアを「1から100に」ふくらませるのが得意
――かつての「Fanicon Presents リアル謎解きゲーム 「高橋健介誘拐事件〜あなたに届いた不思議な招待状〜」は、高橋さんの代名詞ともなったイベント。人気を博し追加公演も開催、関連ハッシュタグ「#高橋健介誘拐事件」はTwitter(現・X)でトレンド入りしました。
高橋 つぶやきを見たあるスタッフさんが、本当に誘拐されたのかと驚くほど反響があったみたいで(笑)。当初は、Fanicon側から提案していただいて、面白そうだと思ったんです。俳優として脱出ゲームのような謎解きイベントを開催したのも珍しく、前例ない試みができたのもうれしくて。第2弾、第3弾と続けられるフォーマットができて、ありがたいです。
――前例がないことに挑戦するのは、昔から好きでした?
高橋 そうですね。イベントだけではなくて、お仕事でも「人と違うことを」という思いが強い気はします。マネされちゃうかもしれないから内緒にしておきたいですけど、アイデアが湯水のように湧いています。
――その原点も、伺いたいです。
高橋 高校時代の影響はあるかもしれません。ユニークな学校で、僕がいた当時は生徒から企画を募り、面白ければ学校側が予算を出す「融資制度」があったんです。体育祭や学園祭で運営したい生徒を募集して、みずからすすんで何かを作る自主性を促していたんだろうと思います。僕は0から1を作るのは苦手なんですけど、1を100にするのが好きなので友だちの企画を手伝って。考えるプロセスが好きですし、かつての「高橋健介誘拐事件」もすんなり受け入れられました。
■待望の「ルーレット台」企画でファンの元へ
――2018年6月のファンコミュニティ開設から6年ほど。自身にとってのメリットは?
高橋 誰かにいい影響を与えたいと常に思っていて、その思いを実現できる場所として役立っています。俳優業も同じで、僕が何かをしたことによって「仕事を頑張れます」とか「学校へ行くのが楽しいです」とか、誰かが明るく豊かな人生を過ごしてくれるのがうれしいんです。だから、見てくれる場所がなければ、続ける理由もなくなってしまいますし、ファンコミュニティもファンのみなさんを楽しませられる場所として、活用しています。
――自身が楽しさを与える一方、ファンからも何かを得られている実感はありますか?
高橋 好意的な意見をいただけるので、自分のモチベーションに繋がります。俳優業をはじめ、芸能界での「仕事をやっていてよかった」と思えますし、Faniconでダイレクトに言葉が届くのはありがたいです。6年も続けていると、それぞれの人生も見えてくるんですよ。「結婚して子どもが生まれました」とお子さんとの写真付きのメッセージをくださる方、入会当初は高校生で「就職しました」と報告してくださる方もいて、時間が経ったんだなとしみじみします。
――今後も、ファンコミュニティを通してファンの皆さんと同じ時間を過ごしていくのですね。
高橋 大きなきっかけがあってファンとの距離が縮まったのではなく、ずっと交流してきたから今のファンとの関係があると思っていて、結局、続けられるから続けているっていうのが、一番なんですよね。過去にチャレンジして、途中でやめてしまったこともたくさんありますけど、Faniconでの交流は自分に向いていたんです。気ままに使えるのがFaniconのよさで、これまでファンのみなさんとの距離を自然と縮めてこられたので、今後も自分なりに活用していきたいです。
――今後新たに、ファンコミュニティで取り組みたいこともあれば、教えてください。
高橋 ルーレット台を使って、当たった都道府県に行く企画はずっとやりたいと思っています。過去に挑戦したかったんですけど、スケジュールの都合でいったん保留になってしまったんです。舞台では、ファンのみなさんが遠征してくれますけど、その逆というか。「私の街に来てください!」みたいなリクエストを受けて、偶然選ばれた街にサプライズで訪問するのは近いうちにやってみたいです。
(文章:カネコシュウヘイ)