TikTokでの楽曲ヒットをきっかけに、新たなファン層が広がったリアクション ザ ブッタ。そんな中、2023年夏にFaniconでファンクラブ『リア友の会』を立ち上げました。ここでは、担当制のタイムライン更新や更新忘れの罰ゲーム動画、グループチャットでの何気ない交流、限定イベントやスクラッチ企画など、工夫を凝らした活用方法で、バンドとファンがまさしく“リア友”のような関係性を築いているのだそう。今回は、Vo&Baの佐々木直人さん、Gtの木田健太郎さん、Drの大野宏二朗さんの3人に、Fanicon導入の経緯や運営のコツ、ファンとの関係性の変化などについて、たっぷりと語っていただきました。
── Faniconでファンクラブ「リア友の会」を始めたきっかけを教えてください。
佐々木:僕たちにはこれまで、公式のファンクラブがなかったんです。それで「そろそろファンのみんなと密な交流ができる場所を作りたいよね」と話していたら、マネージャーがFaniconの話を提案してくれました。
木田:TikTokなどで曲を知ってくれた新しいファンが増えたことで、ライブハウスに慣れていない方も増えてきたんです。そういうときにファンクラブがあれば、既存のファンも入ってくれるし、ファン同士で「ライブハウス怖くないですよ」って教え合うきっかけになるなと思ったんです。いわば2個目の入り口になればと……。
佐々木:そこで、去年の夏ぐらいに「リア友の会」を始めることになりました。現在(2024年12月)で1年ちょっと経った感じですね。ファンクラブを始めたばかりの頃は、どんな反応があるのか、どれくらいの人が参加してくれるのか不安で、何をすればいいのか手探りでした。ファンクラブの名称は「リアクション ザ ブッタ友の会」を略して「リア友」ですが、この名前には、本当にリアルな友達のような関係になってほしいという想いを込めています。
──コミュニティを盛り上げるために、普段からどんな工夫をしていますか?
佐々木:「リア友の会」では、タイムライン更新を曜日担当制にしています。3人+マネージャーで1週間を割り振って、誰がどの日に更新するか決めているんです。メンバーが2日ずつ、マネージャーが1日を担当すると、ちょうど7日分になるので。
木田:更新の締め切りも一応決めていて、その日のうちに更新しないとポイントがたまって、3ポイントで罰ゲーム。それが動画だったり、ちょっとしたロケ企画だったりするんです。僕と佐々木は何度か罰ゲームを受けてますね。
大野:僕はまだ2ポイントしかたまっていないので、罰ゲームは未体験です。アラームをしっかり設定して、更新を忘れないように気をつけています(笑)。
──曜日担当制や罰ゲームは誰が発案したんですか?
佐々木:担当制はメンバーとマネージャーで話し合って決めました。平等に更新することで、特定の誰かだけに負担が偏らないようにしています。ライブがあって忙しい日なんかは、うっかり更新を忘れちゃうこともあって、それで罰ゲーム発動(笑)。罰ゲームはたとえば僕の場合、地元さいたま市の浦和を巡る「浦和探訪」っていう動画を撮ったり、ろくろ体験をしたりなど、けっこう工夫してますね。
木田:僕は、バンジージャンプに挑戦する動画を撮ってタイムラインにあげました。家を出るところから飛ぶ瞬間まで、ばっちり編集した10分間ほどの動画です。「せっかくならちゃんとしたテレビの企画っぽくしよう」と思って。あと、一度バンジージャンプをしてみたかったんでちょうどよかったです(笑)。
大野: 僕がもし3ポイント溜まったら、何をするか悩むなぁ。恥ずかしいんですよね……自撮りで動画撮るのとか。
木田: マネージャーが「月ごとに担当の曜日を変えよう」と言って、混乱して忘れやすくさせる気満々なんですよ(笑)。でもファンはそれを見て喜んでくれるから、まあいいかなって。
佐々木:そうそう、むしろいいこともあるよね。僕が「浦和探訪」で、この喫茶店で歌詞書いてましたとか、ここでバイトしてましたとか紹介したら、ファンがそれで聖地巡礼してくれているみたいで。「ここ行きました!」と報告があると、とても嬉しくなります。
──タイムラインやグルチャを活用していて、ファンからの反応はいかがですか?
木田: タイムラインは長文や日常的なことをたくさん書けるので気に入ってます。たとえば釣りに行った話とか、好きなラーメン屋の話とか、ここだけで共有してることも多いんです。そういう投稿に対してファンが「いいね」で反応をくれたり、コメントで「私も行ってみます」と返してくれたりするのが嬉しいですよね。1人が何度もいいねを押せるのですが、何千回も押してくれてる人もいて、それが書き甲斐にもつながっています。
佐々木:グルチャだとファン同士も会話していて、新しく入った方を「初めまして、ようこそ!」って歓迎してくれていたりします。僕らが何も言わなくてもファン同士で盛り上がっているのを見ると、本当にリア友みたいな関係ができてるんだなって感じます。あと、ファンの誕生日を祝うコメントが流れたり、逆にファンが僕らに「今日誕生日なんです」と言ってくれたりして、それに対しておめでとうと返せる。そのあたたかいコミュニティ感が僕らとしてもすごくいいんです。
大野:ライブ会場でファン同士が「リア友の会の◯◯さんですよね?」と話しかけて仲良くなってるという話も聞きます。ファン同士の絆が生まれているのを知ると、「このコミュニティをやっていてよかった」と心から思いますね。
──Faniconにはスクラッチや1on1トークなどの機能もありますが、活用していますか?
佐々木: スクラッチでは、非売品スタッフ限定カラーTシャツやライブで使用したセットリスト、ボイスメッセージなど、普段は手に入らないレアなものを賞品にしています。はずれナシなので、ファンのみなさんにも喜んでいただきました。僕らも「次は何を用意しよう?」とワクワクしながら考えています。
木田: 1on1トークもやりましたね。抽選で当たったファンと画面越しにお話しをするんです。「どうやって僕らを知ってくれたんですか?」とか「リア友の会は楽しめてますか?」とか、ファンのリアルな声を直に聞けるのが楽しいです。
大野: 僕たちメンバー3人に対してファンの方は1人なので、ファンの方は緊張するみたいだけど……それも僕たちにとっては貴重な体験なんですよね。
── Faniconを始める前と後で、ファンとの関係性に変化はありましたか?
佐々木:ファンとの距離が近づいたなと感じますね。コメントで「ここが居場所です」と言ってもらえることもあるんですが、僕たちも同じ気持ちで、自分たちにとっても大切な場所になっています。
木田: ファン同士が「リア友の会」で仲良くなって、実際にご飯に行ったりしてるみたいなんですよ。僕らが最初に想像していたよりも、ずっとコミュニティとして機能してるなと感じます。
大野:ファンがチャットで「今日仕事で遅れますがライブに行きます!」とか「娘の運動会でした」みたいなことを言ってくれるのを見ると、こちらも「この人たちは、普段こういう生活をしているんだ」って人となりが見えて、こちらもファンの方々を身近に感じられますね。
木田: ライブに来られない方とも、Faniconを通じて近況を共有できるので、「離れていても一緒にいる」ような感覚が生まれるんですよね。
──ファン同士が仲良くなっているなんて素敵ですね! ちなみに、ほかのSNSとの使い分けはどうしていますか?
佐々木:XやInstagramは告知やプロモーション用です。Faniconはもっと内輪というか、プライベート寄りの話題を出しています。「今日は◯◯食べた」とか「休みにこういうとこ行った」とか。インスタには載せないような写真も気軽にアップしてますね。
木田:宏二朗が佐々木の写真を撮る「ポートレート佐々木」というシリーズもあるんだよね。
佐々木:そうそう、何か面白いモニュメントとか看板があると、宏二朗に「そこに立って!」と言われて、僕がボーズをとるんですよ。
大野:あれは何かインスピレーションが湧いたときに撮っているんです。
佐々木:でも、この前、函館のラッキーピエロ(函館市を中心に展開しているハンバーガーショップ)に行ったときは、僕がせっかくポーズしているのに、撮ってくれなかったんですよ! 恥ずかしかったー!
大野:撮られたがっていると、逆に撮りたくなくなっちゃうんですよね〜。ちょっと渋々撮られているくらいのスタンスがいいんですよ(笑)。
── メンバーの仲の良さが伝わってきます。ほかにも、Faniconを導入してよかったなと思う瞬間はありますか?
佐々木:ファンクラブのイベントをFaniconのサポートでできるのも嬉しいですよね。たとえば、3月の渋谷 CLUB QUATTROのツアーファイナルでアルバムのメジャーリリースの発表があったんですが、その後に、抽選で当たった30名限定で「リア友の会」の打ち上げイベントをしたんです。そのときは、Faniconが提供している「空中酒場」というバーをモチーフにしたスタジオを貸していただきました。
大野:この日のために健太郎が「リア友の会」の曲を作ったんですよ。それを流して登場するという……。
佐々木:僕が歌うのかと思ったら、ボーカルをLOCAL CONNECTのISATOさんにお願いしてたんですよ。やたらうまい歌が流れるな〜と思って、びっくりしちゃった。
木田:みんなを驚かせたくて、内緒で作ってました(笑)。イベントは、「リア友の会」の曲を流しながら入場したあとは、一緒に映像を見ながらコメントをしたり、質問コーナーやプレゼント抽選会があったり。あとはアコースティックライブもやりました。評判がよかったので、8月25日には1周年記念イベントとして、2回転やらせていただきました。
佐々木:こういうイベントも、場所があるからスムーズに企画できるんですよね。これが自分たちで場所から探さないといけないとなったら、手間がかかりすぎて諦めてしまうかもしれない……。本当にFaniconには感謝しています。
木田:あとは、ライブ配信ができる機能もいいよね。ツアー先の様子を配信したり、事務所からアコースティックライブを配信したりしています。そういえば、この間、ツアーで北海道に行ったときに、帰りがフェリーだったんです。それで、フェリーに乗り込むときに待ち時間があったので配信を始めたら、フェリーの誘導員の方が僕たちを見て、すごくびっくりしていたんですよ。気になって聞いてみたら、前日の札幌でのライブに来てくれていたって言うんです。それをリアルタイムでファンに共有できたのも感動的でしたね。
──それは配信ならではの運命的な出来事ですね。では、ファンとの関係がここまで深まった今、みなさんにとってファンはどんな存在でしょうか?
佐々木: 正直、最初はファンクラブってどんな感じになるのか、どれくらいの人が入ってくれるのか、全然わからなかったんです。でも「リア友の会」を始めてみたら、ファンのみんながすごくあたたかくて、新しく入ってきた人を歓迎したり、誕生日をお祝いし合ったり、僕らが紹介した場所に足を運んでくれたり……そういう様子を見ると、「ファン」っていうより、本当に身近な「友達」みたいな感覚になるんですよね。僕らがいることで楽しんでくれる人たちがいて、逆に僕らもその雰囲気に支えられている。めちゃくちゃ身近な存在になったなと感じます。
木田: Faniconを通して知るファンの日常とか、ライブ以外の時間でもコミュニティが動いてるのを目にすると、昔よりずっと「一緒に楽しんでる仲間」という感じが強いです。ライブ会場で「リア友です」って声をかけてくれる人がいたり、ファン同士で盛り上がったりしているのを見ると、僕らが作る音楽がこうして人と人を繋いでるんだなって。「ああ、この人たちがいてくれるから頑張ろう」と思えるんです。
大野: 僕もそうです。「この人たちのためにもっといろいろやってあげたい」と思いますし、ファンがいてくれるからこそ、僕らも日常が明るくなる。Faniconがなかった頃は、ここまでお互いを身近に感じることはなかったので、ファンは僕らにとって音楽を続ける理由でもあり、楽しさを倍増させてくれる存在でもありますね。
──そんな大切なファンとの関係性を深めるツールとして、Faniconが役立っているんですね。
木田:はい、本当にそう思います。Faniconにはファンクラブやファンコミュニティに必要な機能が全部揃っているんですよね。それだけじゃなくて、スタッフさんが親身になって相談に乗ってくれるのも大きいです。僕たちもそうだったんですけど、これからファンクラブを始めたいアーティストやバンドマンにとって、すごく心強いサポートになると思います。一歩踏み出すハードルを下げてくれるので、Faniconは本当におすすめできます。
佐々木:僕が友達のアーティストに「ファンクラブ始めようか迷ってるんだよね」って相談されたら、まずFaniconを推しますし、その上でグルチャの気軽さを伝えますね。ホントLINEグループみたいなノリで、ファンとのやりとりがめちゃくちゃしやすいんです。ファンクラブって一方通行の発信みたいなイメージがあったんですけど、Faniconならコメントなどを通してファンと気軽にキャッチボールができる。その手軽さは、長く続けていくうえでも大事なポイントだと思います。
大野:僕たちが「空中酒場」でやったイベントのように、Faniconを使うと、イベント用のスペースをお借りできたりして、ファンクラブ向けの特別な催しがすごく手軽に実現できるんです。もし自前でやろうと思ったら、場所をブッキングするなど準備が大変ですけど、Faniconはそういうフォーマットが整ってるから、「こんなことやってみたい」っていうアイデアを形にしやすい。ファンクラブイベントを組み立てるうえで、この手軽さはすごく魅力ですよね。
佐々木: 実際、Faniconは手軽だから僕たちも楽しく続けられているし、だからこそファンとの絆が深まった実感があります。これからも、この場所を活かして、ファンのみんなと一緒に楽しい時間を作っていきたいですね。
取材・文/上村絵美